【駅エリアレポート】三宮駅エリアの価値を調査しました その2【神戸市中央区】

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【駅エリアレポート】三宮駅エリアの価値を調査しました その2【神戸市中央区】

 

本記事では三宮駅エリアの駅周辺のレポート第2弾となります。

検索などから来た方にはぜひとも、第1弾も合わせてこちらのリンクからご覧ください。

 

本記事では三宮駅エリアの価値を中心にレポートをいたします。

過去の数年に遡り、三宮駅エリアの地価公示価格の推移や不動産鑑定士のコメントなどを記載したレポートとなっていますので、少々分かりづらい点があるかもしれませんが、できる限り分かりやすくレポートをしておりますので、ぜひご覧ください。

 

地価公示価格による分析:

それでは、早速公的な数値をもとに分析をしてみましょう。

今回の調査で用いる地価公示価格は国土交通省が毎年1月1日時点における標準地の正常な価格を調査している「地価公示」をもとに調査します。

実勢価格とは異なりますが、この数値は定点観測でき、国土交通省が調査している公的な数値であるため、その地域を分析する上では極めて、有益な指標ですので、ここではこの数値を用います。

また、今回の調査は三宮駅エリアになるため、他の地域よりも価格の差が発生しやすいため、今回は2地点の調査地点を分析します。

その調査地点は以下の通りです。

(以下、データ元はすべて国土交通省のHPより引用しています。)

 

調査地点1:中央区山本通2丁目13番25(三ノ宮、 760m)

調査地点2:中央区八幡通3丁目308番(三ノ宮、 580m)

 

それでは、まず初めの調査地点をご覧ください。

地価公示:中央区山本通2丁目13番25(三ノ宮、 760m)

この地域は第二種住居地域、 準防火地域にあたります。

ちなみに第二種住居地域とは、住居がメインではありますが商業店舗なども建てられる区域を指します。

それでは、こちらの場所の公示価格の推移をご覧ください。

本地域における公示価格の推移

平成27年1月1日:294,000(円/m²)

平成26年1月1日:287,000(円/m²)

平成25年1月1日:278,000(円/m²)

平成24年1月1日:277,000(円/m²)

平成23年1月1日:276,000(円/m²)

平成22年1月1日:277,000(円/m²)

平成21年1月1日:298,000(円/m²)

平成20年1月1日:305,000(円/m²)

平成19年1月1日:280,000(円/m²)

平成18年1月1日:268,000(円/m²)

平成17年1月1日:260,000(円/m²)

平成16年1月1日:266,000(円/m²)

このようになっています。

これだけだと、分かりづらいので以下のグラフをご覧ください。同地域の地価公示推移をグラフにしているものです。

 中央区山本通2丁目13番25 地価公示推移

中央区山本通2丁目13番25 地価公示推移

このグラフで是非とも注目していただきたいのは、リーマンショック時の地価です。

不動産に置いて、リーマンショックは極めて高い影響を受けたのですが、平成22年ごろを見ていただいても、多少は下がってはいますが、底堅い需要があるため大きく下がっていないことがこの図からもわかります。

 

 

不動産鑑定士による当該地域のコメント:

それでは、続いて不動産鑑定士による当該地域のコメントを調査しましたので、ここに記載をいたします。

これらの調査はすべて、平成27年1月の調査結果となっております。

不動産鑑定士:小林 照幸氏の見解

地域要因の将来予測;当該地域はマンションや中規模住宅等が混在する住宅地域であり、当分は現状を維持しつつ、利便性等に着目した需要を底堅く集め、地価水準は強含みで推移すると予測する。

市場の特性:同一需給圏の範囲はJR東海道本線及び神戸市営地下鉄並びに阪急神戸線沿線で、神戸市山手の圏域に存する住環境良 好な住宅地域である。需要者は神戸市の居住者が大半を占める。同圏域において、駅接近性等の利便性が優れる地域や街区の整然性等に優れる等住環境が良好な地域等については需要は底堅く、価格は堅調に推移している。土地は700 0万円台後半(270m²程度)が需要の中心である。

一般的要因:都心回帰傾向で、利便性の高い神戸市東部三区は人口、世帯数が堅調に推移 しており、良好な不動産への需要圧力 は底堅い。

と評価されています。

続いて同じ場所について別の不動産鑑定士の方のコメントをご覧ください。

不動産鑑定士:村本 健次氏の見解

地域要因の将来予測;マンションや中規模住宅等が混在する住宅地域で、当分は現状維持と予測する。生活利便性が優れることから、 地域選好性が高く、需要は依然として根強いことから、強含みの地価で推移すると予測する。

市場の特性:同一需給圏の範囲はJR東海道本線及び神戸市営地下鉄西神・山手線沿線で、神戸市中央区北西部のやや山手に位置す る地域選好性が高い住宅地域である。生活利便性が優れた同圏域に対する需要は根強く、需要者は市内居住の一次取得 層のほか、高級賃貸からの住み替え層や他市域からの流入も認められる。そのため、地価の上昇はやや沈静化しつつも 、依然として強含みの地価形成がなされている。土地は8000万円程度(270m²程度)が需要の中心である。

若干、細かい点は異なりますが、どちらの方もこの地域においての需要が根強く、地合いとしても強い価値形成がなされる地域であるとの評価がなされています。

 

 

では、続いて2点目の調査地点をご覧ください。

地価公示:中央区八幡通3丁目308番(三ノ宮、 580m)

この場所は商業地域ではありますが、近年この周辺にワコーレシティ神戸三宮、神戸三宮トラッドタワーなどのマンションが建築されていることから、ピックアップ致しました。

商業地ということもあり、住宅地よりも地価公示価格が高くなりがちですが、上記の山本通りと合わせてご覧いただくと三宮エリアの地価がイメージしやすくなります。

本地域における公示価格の推移

平成27年1月1日:578,000(円/m²)

平成26年1月1日:569,000(円/m²)

平成25年1月1日:559,000(円/m²)

平成24年1月1日:560,000(円/m²)

平成23年1月1日:570,000(円/m²)

平成22年1月1日:593,000(円/m²)

平成21年1月1日:665,000(円/m²)

平成20年1月1日:693,000(円/m²)

平成19年1月1日:600,000(円/m²)

平成18年1月1日:500,000(円/m²)

平成17年1月1日:488,000(円/m²)

平成16年1月1日:535,000(円/m²)

なんとなく、価格変動がされているように思われると思いますが、こちらも表の数値だけでは分かりにくいので、以下のグラフをご覧ください。

中央区八幡通3丁目308番の地価公示価格推移

中央区八幡通3丁目308番の地価公示価格推移

住宅地が中心の山本通りの地価公示価格の推移とは異なる動きになっていることがお分かりいただけるかと思います。

どうしても、本地区のようなオフィス街になってしまうとその地域のオフィス街のニーズにどうしても連動してしまうため、住宅地とは異なる上下の値動きだけでなく、動きも少々激しくなってしまう特徴が挙げられます。

ただ、一方でこう言ったオフィス街に隣接するマンションの場合、住居ニーズだけでなくオフィスニーズにも対応できるため、再販価格も維持しやすいと言えます。

 

不動産鑑定士による当該地域のコメント:

それでは、次は同じく不動産鑑定士による当該地域のコメントをご覧ください。

不動産鑑定士:清水 信博氏の見解

地域要因の将来予測;中高層の事務所ビル等が建ち並ぶ商業地域であり、今後とも現状で推移するものと予測する。なお、景気は緩や かに回復しつつあり、価格水準等から今後地価は上昇傾向で推移するものと予測される。

市場の特性:同一需給圏は、阪急神戸本線、JR東海道本線及び阪神本線等の沿線で、概ね神戸市の圏域であり、需要者の中心は同 一需給圏に地縁性をもつ事業者等である。中高層の事務所ビル等が建ち並ぶ商業地域であり、最近のマンション敷地へ の移行による影響も存するものの、空室率等も改善傾向を示しており、比較的繁華性も高く、需要も十分に見込まれる 地域であるが取引される価格帯もまちまちであり、需要の中心となる価格帯は見出せない状況である。

資産価格の調整:当該地域内では、道路事情及び駅接近性並びに繁華性等の優劣を踏まえ、自用の事業目的を行う法人及び事業者や成熟している賃貸市場における賃貸収入に基づく収益性から意思決定を行う法人及び事業者等が混在している現在の不動産市場の状態を考慮し、市場の実態をより反映している比準価格を標準とし、収益価格を関連づけ、鑑定評価額を上記の

とおり決定した。なお、代表標準地との検討を行って得た価格とのバランスは保たれているものと認められる。

この市場特性の中に明確に「最近のマンション敷地へ の移行による影響も存するものの、空室率等も改善傾向を示しており」と記載がありますね。

まだまだ、オフィス街のマンション転用は現時点ではこの周囲の地価に影響を与えるほどのインパクトは流石にありませんが、とはいえ徐々に影響は出てきそうです。

また、別の方の見解は以下の通りです。

不動産鑑定士:小林 照幸氏の見解

地域要因の将来予測;中高層の事務所ビル等が建ち並ぶ商業地域で地域要因に格別変動はなく、概ね現状程度で推移するものと予測す る。なお、経済動向、周辺地域の賃貸事務所需給等から、当面地価は強含みで推移するものと予想する。

市場の特性:同一需給圏はJR東海道本線及び山陽本線、阪急電鉄神戸線、阪神電鉄本線沿線で、概ね神戸市及び阪神間諸都市の圏 域に存するオフィスを中心とした商業地域である。需要者は、神戸市及び阪神間諸都市に拠点を置く中規模資本の事業 者、開発業者が見込まれる。企業の営業拠点集約に伴うオフィス需要から、空室率に下げ止まりの傾向が窺われるとと もに、賃料にも底打ち傾向が窺われる。中心となる価格帯は概ね580,000円/m²前後程度と目される

両者ともに概ねオフィスビルとしてのニーズも含めた地価を想定しているため、純粋な住居価格としてはなかなか、判断ができないようにも思われます。

一方で本地域のようなオフィス地帯にあるマンションの場合、例えば1LDKなどの間取りであれば一人暮らし世帯に好評なだけでなく、一部零細企業がオフィスとして借りるケースも散見されるため、一定、都市部においては賃貸相場だけでなく、小規模なオフィステナントの賃料相場も参考にした方が良いと考えられます。

 

今回は三宮地区において、2地点のエリアの地価公示価格を中心にレポートをいたしました。

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